卒業生インタビュー

材料が主役  そして、それを違う分野の最先端のものと組み合わせると、すごく新しいものができるんじゃないかと思う。 そんなポテンシャルのある学科ですよ。
寺澤 崇<
寺澤 崇Takashi Terasawa
2003年 学部卒業
同年、新日本製鐵株式会社(当時)に入社。
鋼管部にてUO鋼管の製造工場、その後スパイラル鋼管工場を兼務し、現在に至る。
足立・松野研究室所属
新日鐵住金株式会社君津製鐵所
鋼管部 大径管・防食技術室主査

寺澤さんは当時の新日鉄に入られて10 年目と伺いました。これまで担当されてきたお仕事について教えてください。

入社当時から、鋼管をつくる工場の配属になりまして、それ以来鋼管工場の運営に携わっています。私が主に担当しているUO鋼管というのは、天然ガスのラインパイプとして用いられるのが約90%。残りの10%は化学プラントの配管、構造用の鋼管として使われています。わかりやすい例ですと、東京スカイツリー®の構造部材として用いられていますね。あのスカイツリーを実現させるためには、高強度で、かつ伸びを改良した鋼材が求められました。

具体的にはどういうことを担当されているのですか?

もともとUO鋼管というのは天然ガス関係のラインパイプですから、非常に過酷な環境に強い鋼材です。二千数百メートルの深海や、マイナス数十度の北極圏でも安定してガスを供給することが出来ます。ただ、お客様のニーズはコストや強度を含め、時々刻々と変わります。営業部隊からお客様のニーズを聞いたり、商社からマーケット環境を教えられたり、あるいは自分で海外のお客様をまわって、技術屋としての対話の中から要望を探ったりしながら、中長期的に工場の開発計画を立てたり、設備導入に関わったりする業務を担当させていただいています。

マテリアル工学科へ進む学生へ一言、お願いします。

マテリアル工学科って、ややもすると関連性のなさそうな3つのコースが並んでいると思うんですが、私が社会人になってみて感じるのは、久しぶりに当時の友人に会うと、全然違う分野の人たちが、徐々に会社の中でのポジションが上がっている。そこで自分たちの最先端のものを組み合わせれば、これは何かすごく、新しいものができるんじゃないかって思ったりするんです。そんなポテンシャルのある学科じゃないのかな。数年後とかに君たちと、ひょっとすると20 ~ 30 年後になるのかもしれませんが、一緒に仕事をする機会が出てくる事もあるかもしれませんね。そんな素敵な学科だと私は思っています。

(2013年2月取材)

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