卒業生インタビュー

マテリアル工学の知識を活かして世界の人々の日常を豊かに
清水 美希子<
清水 美希子MIkiko Shimizu
2015年 マテリアル工学科 卒業
吉田研究室に所属
2017年 マテリアル工学専攻 修士課程修了
山崎研究室に所属
同 年 花王株式会社へ入社
(2019年1月取材)

ご自身の仕事内容についてわかりやすく教えてください。

私は、ASEANや中華圏をターゲットとした衣料用柔軟仕上げ剤の香り開発を担当しています。香り開発は、数千種類の香料を調合して香りをつくるパフューマー( 調香師)と、香りの方向性を決めて評価をするエバリュエーター(評価者)という2つの専門職が協力し合って進めます。私はエバリュエーターとして、商品像や使用ニーズに合わせた香りを設計しています。現地家庭への訪問調査を自ら行うなど、評価・調査等の試行錯誤を経て香りが完成します。

化学メーカーの研究職を選んだきっかけは?

学部時代は再生医療の生体材料(ハイドロゲル)、大学院では核酸(pDNA)医薬品を研究対象としていました。進路選択にあたり、「消費者により身近な製品の研究開発に関わりたい。人々の日常生活をより豊かにしたい。」という思いを胸に就職を決めました。

ここで学んだことはどのように生かされていますか?

今の仕事では、におい物質の物性や、衣類上での挙動の理解はもちろんのこと、人のにおいの感じ方や気持ちを理解することも大変重要です。そこで、有機材料の化学的知識以外にも、生物学・心理学など幅広い知識の習得に努めています。在学中は苦手分野の習得に苦労もしたのですが、「理解できた」と実感できるまで先生や友人に質問して学びました。その知識は、社会に出てからも非常に役立っています。

学生へのメッセージをお願いします。

世の中の全てのものはマテリアルから出来ています。”もの”を、物理・化学・生物といった分野の枠を超えて学びたい方には、マテリアル工学科を絶対お勧めします。また、本学科の先生方は、面識のない駒場生だった私にも、とても丁寧に応対して下さいました。皆さんも自分から相談してみてください。研究室配属や就職といった大事な節目で、一人一人が納得いく選択ができるよう、学科全体でサポートする体制が整っています。

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