卒業生インタビュー

新規ゲル材料の創製により、医療に革新を。
酒井 崇匡<
酒井 崇匡Takamasa Sakai
2002年 学部卒業
2004年 マテリアル工学専攻修士課程終了
2007 年 マテリアル工学専攻博士課程終了
同年 マテリアル工学専攻特任助教
2011年 バイオエンジニアリング専攻助教
2015年 バイオエンジニアリング専攻准教授
マテリアル工学科では吉田研究室に所属

ご自身の研究内容について教えてください。

私は、高分子ゲルという材料の研究をしています。高分子ゲルとは、三次元状の網目構造を作った高分子が水などの溶媒を含んで膨潤したもの。特にハイドロゲルは、ゼリーやソフトコンタクトレンズなど、人の生体組成に近いバイオマテリアルとして身近に利用され、非常に高いポテンシャルを持つ一方で、力学的強度が低く、物性の制御が困難なため、材料としては未成熟の分野でもあります。

私たちの研究室では、ゲルの物性を精密に制御することにより、バイオマテリアルとしての実用化を目指した研究を行っています。

ゲルの世界的な研究動向について教えて下さい。

ゲルを強くすることが世界的なブームですが、強いだけでなく、壊れても自己修復するようなゲルも開発されています。また、ゲルは再生医療の際の足場材料としても注目を集めており、多能性細胞の増殖や分化を制御する研究も多く行われています。近年では、Science やNature などのハイ・インパクトなジャーナルに多くのゲルの研究が掲載されています。

進路に悩む学生へメッセージをお願いします。

私がマテリアル工学科に進学した大きな理由は、自分の可能性が一番狭まらない場所だと思ったからです。進振りでは進路にだいぶ悩みましたので。

マテリアル工学科では、金属に始まり、プロセス論、半導体、エコ、果てはバイオまで非常に他分野のことを学ぶことができます。当時は、色々ときつかったこともありましたが、今となれば、材料全般について広範な知識を持っていることや、材料工学の視点を持っていることは、自分の強みだと思います。是非、マテリアル工学科で、自分の可能性を広げてみませんか?

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