卒業生インタビュー

まずは飛び込んでみよう! そこには素晴らしい環境が 整っている
百瀬 健<
百瀬 健Takeshi Momose
2003年 学部卒業
2005年 修士課程修了
2008年 博士課程単位取得の上退学。東京大学生産技術研究所へ
2009年 同博士課程にて工学博士取得
2011年から現職
マテリアル工学科では霜垣研究室所属

薄膜技術という研究は、社会へどのようなインパクトを与えるのでしょうか?

私は、物質の第四態である超臨界流体を「場」として利用し、化学反応を使って薄膜を作る技術を研究しています。この技術は、これまでの技術では不可能だった深い溝や複雑な三次元構造内にも均一に薄膜を堆積させ、また材料を充填できるという特徴があります。

現在、PC、スマートフォンなどの電子デバイスは、性能はもちろんですが、タッチパネルや音声認識、指紋認証など、機能面でも飛躍的な進歩を遂げています。今後もさらに新しい機能を実装するには、これまでにない新たなデバイス構造を考える必要があります。電子デバイスは、機能性材料薄膜を堆積させることで作られていますから、どんな部分にも薄膜を堆積できる技術があれば、設計の自由度は飛躍的に広がり、さらに自由な発想で様々な機能を持ったデバイスを作ることができるようになるわけです。

研究を進めるうえで心がけていらっしゃることは何ですか?

まずはその道のプロと呼ばれる人にコンタクトして色々教えてもらうこと。これはこれからも続けていきたいと思っています。研究者になった今でも、他大学の先生に自分から相談に伺います。新しい知識を得ることは勉強になりますし、結果として自分のことも知ってもらえます。すると、さらに別の先生を紹介して頂き、別の話を伺うことができたりします。特に若手のうちは、活きの良い研究者は好意的に捉えてもらえるのか、皆さん丁寧に教えて下さいます。そういった方々のコミュニティに入れるようになると、情報量も急増します。
若い学生にも、ぜひ自分から積極的に相手の懐に入り、様々なネットワークづくりをして沢山の経験を積んでいって欲しいと思っています。

(2015年1月取材)

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