学科長挨拶

マテリアル工学科へようこそ

 18世紀後半の産業革命以降、科学的知見を生活の豊かさへと結びつける「工学」は、様々な分野で目覚ましい発展を遂げてきました。「マテリアル工学」は材料を扱う分野であり、社会基盤構築・デバイス開発・医療提供等の多様な場面で必要な先端材料の開発を通して現代文明を支えています。宇宙往還機「はやぶさ2」の快挙には皆が胸躍りましたが、その過酷な環境に耐え抜く機体やパーツの材料設計には、原子配列までも緻密に制御する現代匠の技が凝縮されているのです。マテリアル工学科では、金属、セラミックス、高分子等のあらゆる物質に、時代が要請する高度な「機能」を付加した材料とすべく、科学と工学の有機的統合を促す最先端の学理のもと研究を展開しています。
 マテリアル工学はしばしば重要な科学的発見をもたらしてきました。プランクのエネルギー量子仮説は、「鉄を溶解する炉内温度を正確に計測したい」という産業界からの要望に応える研究で見いだされました。私が手にする正20面体の対称性を有する「準結晶」は、より高強度のアルミニウム合金開発を目指す工学的研究中に発見され、ノーベル賞受賞に至っています。新たな科学的知見は人類の知的好奇心をさらに刺激し、より豊かな社会の実現を目指す工学の駆動力となってきたのです。昨今では、人類の豊かさの定義を見直しつつ、地球規模での持続的発展を目指す提言(SDGs)が、私たち工学者共通の大きな目標となっています。学問領域、さらには国境を越えてグローバルな視点で活躍できる若手人材が望まれています。私たちと一緒に、マテリアル工学発で人類の明るい未来を創りませんか?

学科長 阿部 英治